妊婦さんに起こる便秘

様々な体調の変化が見られる妊婦さんですが、その中には便秘になってしまった方もいらっしゃると思います。

しかし、妊婦さんの場合、無計画な便秘対策を行ってしまうと、自身の身体のみならず、たちまちその影響は赤ちゃんに与えられてしまいます。
このことからもわかる通り、妊婦さんの体調管理は非常に難しいため、正確な知識と対処が必要になることがわかります。
そこで、ここでは妊婦さんの便秘とその解消法について説明したいと思います。

妊婦さんの便秘には妊娠初期・中期・後期の3つの段階があるとされていて、それぞれ違った理由から起こるとされています。
まず初期についてですが、妊娠初期ではホルモンバランスが変化し、それによって、大腸の運動が弱まり、便が出なくなってしまいます。
また、妊娠初期は悪阻のため、食がのどを通らなくなり、腸の運動が弱まることも重なり、便が出にくくなる一因となります。
妊娠中期では、赤ちゃんが大きくなるため、子宮が腸を圧迫するようになります。
これは通勤ラッシュ時の満員電車の降車と一緒で、腸の運動が弱まることで、便がスムーズに肛門から出ることができなくなります。
また、この時期はホルモンの関係で眠気があり、それによる運動不足が便秘を助長することもあります。
最後に妊娠後期ですが、これは初期、中期の原因に加えて、赤ちゃんの成長の過程で必要な水や栄養分が胎盤を通じて吸収されるので、妊婦さんは水分不足に陥ってしまい、便秘になるとされています。

つまり、妊娠期間中はどの場面でも便秘が起こりうるということになりますので、便秘対策が重要になります。
しかし、妊婦さんの便秘対策には2つ注意点があります。

まず1つ目は「無理はしない。」です。
運動というのは一見いいことのようですが、思わぬ形で赤ちゃんに危害を加えている可能性があるので、運動以外の対策を講じるべきです。

次に2つ目ですが、これは「便秘薬は使用しない。」です。便秘対策だけではなく、妊婦さんは出来るだけ薬は使うべきではないとされています。これは薬剤が流産や催奇形性など赤ちゃんに深刻な影響をもたらすためです。
これらのことを踏まえ推奨されるのが、腸内環境を整えること、つまり発酵食品を摂ることです。発酵食品は腸内環境を整え、便の通じをよくするだけでなく、肌荒れや体調など様々なことにいい影響を与えます。このように、無理をせず、便秘対策をすることが非常に重要になります。