便秘が変える腸内環境とアトピー

便秘とアトピーという言葉は一見無関係の内容に思えます。
しかし、便秘によって腸内にもたらされる環境の変化は、アトピーを引き起こしうるということがわかっています。

そこでここでは便秘による腸内環境の変化とアトピーについて説明します。

便秘によって、人間の腸内は劇的に変化します。
正常であれば、ビフィズス菌に代表される善玉菌が腸内に生息しています。
しかし、便秘により腸内細菌の組成が変わり、悪玉菌が増えてしまいます。
増殖した悪玉菌によって、腸内はアンモニアや硫化水素などの有毒物質やガスで満ち、この物質らは腸粘膜を刺激して炎症を起こします。

ここで今後の話の流れを理解するために重要なのは、炎症という現象です。
炎症とは、アレルゲンなどの有害な刺激を受けた際に起こる現象です。
今回、考えられるアレルゲンは便であり、これが炎症を引き起こします。
炎症が引き起こされた腸内と同様、アレルゲンは血流に乗って全身に行き、全身の至る所で炎症を引き起こします。
こうして引き起こされた炎症はアトピー性皮膚炎を引き起こすと考えられています。

ここまでの話から、便秘はアトピーを引き起こす可能性があることがわかると思います。
では、便秘を改善すればアトピーは治まるのかということについてですが、ある病院の調査から便秘が改善するとアトピーの症状である「かゆみ」を抑えるという報告が出ています。
しかし、これは便秘である人がアトピーであった場合にのみ当てはまることであり、便秘でない人が善玉菌を多く摂っても、効果があるとは一概に言うことは出来ません。
とは言っても、重症のアトピーである人の半分近くは便秘でもあるので、便秘を解消することは非常に有効な“治療法”であると言えます。

便秘の改善方法は様々なメディアによって報じられていますが、重要なのは生活習慣を見直すことです。規則正しい生活を送っているか、水分はきちんと摂取しているかなど、様々なチェック項目があります。
これらを改善しても便秘が治らないのであれば、便秘のことを医師に相談することが望まれます。
これらの試みにより便秘が改善すれば、アトピーの症状が劇的に良くなることがあるかもしれません。